🐢 この記事の結論(先に要点だけ)
寿命:ギリシャリクガメは飼育下で30〜50年。ヘルマン・ロシアもほぼ同じです。
実感:我が家でいちばん長いのは17歳。幼体の頃と、何も変わっていません。折り返し地点にすら来ていません。
考えるべきこと:「今飼えるか」ではなく、生活が変わっても一緒に暮らし続けられるかです。私は学生から社会人になり、結婚も引っ越しも経験しました。
長生きの条件(持論):温度と紫外線の土台が整っているなら、あとは餌の量と内容だと感じています。
ギリシャリクガメの寿命は30〜50年
ギリシャリクガメの寿命は、飼育下で30〜50年といわれています。個体差や飼育環境によって幅はありますが、環境が整っていれば非常に長生きします。
ヘルマンリクガメやロシアリクガメも、ほぼ同じです。地中海リクガメと呼ばれる小型種は、どれも数十年という単位で付き合う生き物だと考えてください。ロシアリクガメについては、40〜80年という報告もあります。
ただ、この数字を見ても実感は湧かないと思います。私も湧きませんでした。
17年経っても、幼体の頃と変わりません
我が家でいちばん長く一緒にいる個体は、おそらく17歳です。私は学生時代からギリシャリクガメを飼っていて、飼育歴は14年を超えました。
その17歳が、今もまだまだ元気です。
「30〜50年」と聞いて本当かと思う方もいるはずですが、17年経っても、幼体の頃と何も変わっていません。老いを感じさせる兆候もありません。30年が寿命だとしても、まだ折り返し地点にすら来ていない計算になります。
これが、数字より正確な感覚だと思います。17年は、この生き物にとってまだ序盤です。
その30年で、あなたの生活のほうが変わります
リクガメは変わりません。変わるのは飼い主の生活のほうです。
私は学生のときに迎えて、その後に社会人になり、結婚し、引っ越しも経験しました。当時と今とでは、生活環境がまったく違います。それでもリクガメは、変わらず生活の一部として存在しています。
ここで、具体的に何が起きるかを書いておきます。
- 引っ越し:ペット飼育不可の物件は、最初から選択肢から外れます
- 旅行・長期不在:世話をどうするかを、毎回考えることになります
- 家族構成の変化:リクガメがいる前提で生活を組み立てます
こう書くと不自由に見えるかもしれません。ですが実際には、そういう感覚はほとんどありません。
引っ越しのときも、「リクガメをどうするか」と考えたことは一度もありませんでした。考えたのは、「リクガメと一緒に暮らせる環境を、どう探すか」です。
この差が、たぶん一番大事なところだと思っています。「飼い続けられるか」と考えているうちは、どこかで無理が来ます。生活の前提に組み込めるかどうか。迎える前に考えるとしたら、私はここだと思います。
14年を振り返っても、「飼育を続けてきた」というより「ずっと一緒に暮らしてきた」という感覚のほうが近いです。毎日の世話も特別なものではなく、生活の中に自然と組み込まれています。

ショップに並ぶ10匹の幼体は、その後どうなったのか

爬虫類ショップやイベントに行くと、リクガメのブースにはギリシャ、ヘルマン、ケヅメなどの幼体が種類ごとに並んでいます。ひとつのケースに10匹前後、ということも珍しくありません。
手のひらに乗るサイズで、とてもかわいらしい。新しい家族として迎えられていく姿を見ると、素直に嬉しい気持ちになります。
その一方で、私はいつも同じことを考えます。あの子たちは、その後どうなっているのだろう。
売られている姿はずっと続きません。ギリシャやヘルマンでも成体は甲長20cmを超えますし、ケヅメリクガメのような大型種は、成長すると抱えるのも大変な大きさになります。手のひらのサイズで判断すると、必要な設備の規模を見誤ります。
誤解のないように書いておくと、「飼わないでほしい」という話ではありません。迎える前に、成長後の姿と、そこまでの年月を一度だけ具体的に想像してほしい、ということです。
成長後のサイズはギリシャリクガメはどれくらい大きくなる?、必要なケージはリクガメのケージが90cm以上必要と言われる、本当の理由にまとめています。
14年で一度だけ、ヒヤッとしたこと
ここまで「元気です」と書いてきましたが、一度もヒヤッとしなかったわけではありません。
軟便がかなり長い期間続いたことがありました。最初は「そのうち戻るだろう」と様子を見ていたのですが、なかなか改善しない。おかしいと判断して動物病院に連れて行き、駆虫の処置をしてもらったところ、そこから徐々にいつも通りに戻っていきました。
このとき実感したのは、「いつもと違う状態が長く続くなら、自己判断で抱え込まずに病院へ」ということです。リクガメは不調を表に出しにくい生き物です。はっきり「いつもと違う」と分かるサインが出ているなら、それは早めに動くべきときだと思います。
爬虫類を診てもらえる病院は、あらかじめ調べておいてください。いざというときに探し始めると間に合いません。数十年付き合う以上、一度は必要になる場面が来ます。

寿命を決めるのは、たぶん餌です
ここからは、私個人の持論として読んでください。
長く飼ってきて思うのは、基本的な環境さえ整っていれば、寿命を左右するのは「餌の量と内容」なのではないかということです。温度や紫外線といった土台がきちんとできているなら、その先で差がつくのは日々の食事だと感じています。
14年やってきて「これが効いている」と思う習慣は、2つだけです。
- 餌をやりすぎない
- むやみやたらに干渉しない
かわいいとつい多めにあげたくなりますし、心配でしょっちゅう構いたくなります。ですが私の感覚では、適量を守り、過度に手を出さず、落ち着いた環境でそっと見守る。地味ですが、これがいちばん効いていると思っています。
これは学術的な結論ではなく、あくまで一飼育者としての実感です。ただ、17歳の個体が今も元気でいてくれる事実が、少しはこの考えを裏づけてくれているのかなと思っています。
餌の具体的な内容は地中海リクガメの餌は何をあげればいい?、日々見ているポイントはリクガメを長生きさせるために、私が見ている4つのことに書いています。
成長は、驚くほどゆっくりです
寿命が長いということは、成長も遅いということです。ここも数字だけでは伝わりにくい部分だと思います。
我が家の17歳は、現在甲長20cm・体重2kgです。17年かけて、この大きさになりました。
毎日見ていると、変化にはまったく気づきません。先月と今月で違いが分かることもありません。それでも数年単位で振り返ると、確かに大きくなっている。写真を見返して初めて気づく、という感じです。
この速度は、飼育の負担という意味では有利に働きます。ケージを買い替える頻度が低いということだからです。90cm以上のケージを一度用意すれば、そこから先はほとんど手を加えずに済みます。
長く飼っていると、その個体ならではの行動や、餌の好みも少しずつ見えてきます。10年単位でしか分からないことがある。これは長寿な生き物を飼う楽しみのひとつだと思います。
冬眠はさせていません
寿命の話をすると、冬眠をどうするかという疑問が出てきます。地中海リクガメは本来、冬に活動を落として越冬する生き物だからです。
私はさせていません。14年間、一度もです。
理由は単純で、その環境を作れないからです。冬眠は「寒い場所に置けば始まる」ものではありません。温度を一定の低さで保ち続け、体調を見ながら管理し、安全に目覚めさせるところまでが一続きです。中途半端な条件で入らせると、そのまま起きてこないことがあります。
私にはその環境を用意できません。だから最初から選択肢に入れず、冬もヒーターを入れて通常どおり過ごさせています。17年間、それで問題は出ていません。
冬眠させる飼育者もいますし、それを否定するつもりはありません。ただ「長生きさせたい」が目的なら、わざわざリスクを取る必要はないというのが私の考えです。冬の保温についてはリクガメの保温器具の選び方にまとめています。
まとめ
- ギリシャ・ヘルマン・ロシアとも、飼育下の寿命は30〜50年
- 我が家の17歳は、幼体の頃と変わらず元気。まだ折り返しにも来ていない
- その年月で変わるのは飼い主の生活のほう
- 問うべきは「飼い続けられるか」ではなく「生活の前提に組み込めるか」
- いつもと違う状態が続いたら病院へ。診てもらえる病院は先に調べておく
- 長生きの鍵は、たぶん餌をやりすぎないことと、干渉しすぎないこと
数十年という年月は、たしかに重いです。ですが実際に暮らしてみると、その重さを意識する場面はほとんどありません。気づけば17年が経っていた、というのが正直な感覚です。
飼育の全体像はリクガメの飼い方 完全ガイド、費用はリクガメの初期費用 見積もりツールをどうぞ。迎える前に後悔しそうな点はリクガメを飼って後悔したことは?にまとめています。




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