🐢 この記事の結論(先に要点だけ)
結論:何日留守にできるかは、日数ではなくどこまで自動化できているかで決まります。ライトと保温が自動なら、止まるのは餌やりと観察だけです。
私の実例:成体のギリシャリクガメを10日間、家に残したことがあります(5月)。旅行ではなく、第2子の誕生で帰れなくなったためです。
出る前にしたこと:水入れにキャベツの芯を挿して置く。これだけです。しおれにくく、水切れも防ぎ、水入れも汚れません。
注意:幼体はまったく別です。日数の目安をそのまま当てはめないでください。
私は10日間、家を空けたことがあります
「リクガメを飼ったら、旅行に行けなくなるんじゃないか」
飼う前に気になる方も、すでに飼っていて予定が入った方も、いちばん知りたいのは「何日なら大丈夫なのか」だと思います。
私の実例から書きます。10日間です。
ただし、これは旅行ではありません。第2子が生まれるときのことでした。妻が里帰り出産をしていて、予定日より遅れて生まれてきたため、私も予定どおりに帰れなくなったのです。
結果として、10日間飲まず食わずでも、大丈夫でした。
ただ、これは自慢できる話ではありません。
出産の予定日が前後することは、事前に分かっていたはずのことです。帰れなくなる可能性は十分にありました。それなのに私は、知り合いに預ける段取りも、様子を見に行ってもらう約束も、何も用意していませんでした。
結果的に何も起きませんでしたが、それは運が良かっただけです。飼育者として本来すべきだったのは、10日を乗り切る準備ではなく、10日になるかもしれないと想定して、先に人に頼んでおくことでした。
この記事を「10日いけるんだ」と読まないでください。予定が崩れる可能性があるなら、崩れる前に手を打つ。私はそれをしませんでした。
外出前に行った準備
水を張った容器に、キャベツを1玉まるごと、芯のほうを下にして挿しておきました。
前提として、我が家では普段ケージに水入れを置いていません。糞尿で汚れやすく、湿って臭いの原因になるためです(理由はリクガメに水入れを置いていない理由に書きました)。ですがこのときは、少しでも水分を摂取できる環境にするため、水入れを設置しました。
そのうえで芯を水に挿したのは、3つの効果を同時に狙ってのことです。
- キャベツがしおれにくくなる。刻んだ野菜は数日で乾くか傷みますが、芯から水を吸っていれば、食べられる状態が長く続きます
- 間接的に、水切れを防げる。水分を含んだ葉を食べ続けられるので、水入れから直接飲まなくても水分が入ります
- 水入れが汚れない。キャベツが容器を塞ぐので、リクガメが中に入り込んだり、そこで糞尿をしたりしにくくなります
リクガメは外側の葉から、自分のペースで削っていきます。餌と水と清潔さを、ひとつの動作でまとめて確保する。これが我が家の長期不在の対策です。
これをすることで、3日間くらいは餌が食べれる状況をキープできます。もちろん設置する箇所はバスキングライトから離れた場所にして、乾燥などを防ぐ必要があります。
準備はこれだけです。あとは、いつもの設備がいつもどおり動くだけ。
飼育設備の重要性

なぜ10日もったのか。理由は単純で、手動で操作する設備が一つもないからです。
我が家ではサーモスタットとタイマーが一体になった器具を使っていて、紫外線ライトとバスキングライトは自動で点灯・消灯します。保温も設定温度を下回れば勝手に入ります。私が毎日やっているのは、餌やりと観察だけです。
つまり留守にしたとき、止まるのもその2つだけ。温度・光・紫外線という、命に直結する部分は動き続けます。
逆に言えば、ライトを毎朝手でつけている状態なら、数日でも危ういということです。「何日空けられるか」を考える前に、自動化されているかを確認してください。
必要な器具の全体像はギリシャリクガメに必要な飼育用品、ライトの種類と役割はリクガメに必要なライトは3種類ですにまとめています。
普段から2〜3日間、餌を抜くことがあります
通説では「リクガメの留守番は3日が限度」とされています。私が空けたのは10日。その3倍以上です。
先に書いておくと、10日はさすがに無茶です。意図してやったことではなく、予定が崩れて結果的にそうなってしまっただけで、褒められた話ではありません。
ただ、「3日が限度」という数字には、以前から違和感があります。
我が家では、普段から2〜3日連続で餌を与えないことがざらにあります。意図的に抜いています。理由は2つです。
- 飼育下のリクガメは、野生と比べて運動量が圧倒的に少ない
- 野生では天候の都合で、毎日食べられるとは限らない
この飼い方をしていれば、3日食べないくらいで問題が出ないのは当然です。「3日が限界」というより、毎日与える前提のほうが特殊だと考えています。
なお「3日」という数字の根拠は、私には分かりません。一次情報を持たない人が見かけた数字を信じ、それを記事にし、それを読んだ人がまた書く——そうして広まったのではないか、というのが私の見方です。
ただし、旅行の直前になって急に餌を抜くのは逆効果です。これは普段の飼い方の話であって、付け焼き刃でやることではありません。
無理は禁物
もっと長くなる場合、あるいは不安がある場合は、人に頼むことになります。
私も一度、父に頼んだことがあります。
このときやったのは、サーモスタットを含む設備ごと、実家に移動させるという方法でした。その時は10月だったので、保温をそのまま持っていく必要がありました。
リクガメだけを連れて行くと、預け先で環境を一から作らせることになります。普段と同じ設備を、同じ設定のまま移す。そのほうが預ける側も預かる側も確実です。
餌については、与えてよい野草をレクチャーして、それを摘んで与えてもらいました。買ってきてもらうより、近所で手に入るものを教えるほうが続きます。ただし、与えてはいけない植物もあるので、そこは必ず伝えてください。詳しくはリクガメの野草採取はどこでできる?に書いています。
限界は半月
この環境で飼育していれば、健康な成体なら半月ほどは耐えられると私は考えています。
ただし、これを読んで「半月なら平気なんだ」と受け取らないでください。耐えられる限界であって、そうしてよい日数ではありません。
しかも前提があります。
- 健康な成体であること
- 直前まで水分と餌を多めに与え、コンディションを整えていること
- 温度・光・紫外線が自動で維持されること
この3つが揃って、ようやく限界値の話になります。迎えたばかりで状態が分からない個体、自動化ができていない環境では、まったく当てはまりません。
私自身、実際にやったのは10日です。しかも望んでやったことではありません。半月という数字は、あくまで「そこまでは死なないだろう」という見立てであって、目標にする数字ではないと思っています。
個体差もあります。同じ環境で育てても、普段から食が細い子と、旺盛に食べる子では余裕がまったく違います。「何日いけるか」を判断できるのは、その子の普段を知っている飼い主だけです。この記事の10日も、私の個体の話でしかありません。
幼体は、まったく別に考えてください
ここまでの話はすべて成体が前提です。幼体は別物として考えてください。
体力の蓄えが少なく、環境の乱れに弱い。そしてひっくり返ったまま戻れなくなるリスクがあります。在宅していれば戻してやれますが、留守中に起きれば誰も気づきません。
長く家を空けるなら、転倒の材料を先に取り除いてください。高い段差を置かない、シェルターを置かない、隅に挟まる構造を作らない。考え方はリクガメのシェルターは不要にまとめています。
幼体を残して長期間空けるのは、私なら避けます。預けるほうを選びます。
まとめ
- 何日空けられるかは日数ではなく、どこまで自動化しているかで決まる
- ライトと保温が自動なら、止まるのは餌やりと観察だけ
- 私の実例は10日(5月・成体)。準備は水入れに挿したキャベツ1玉だけ
- それ以上なら設備ごと預ける。餌は与えてよい野草を教える
- 半月は限界値。目標にする数字ではない
- 幼体は別。転倒のリスクがあるので、長期なら預ける
「リクガメを飼うと旅行に行けなくなる」とよく言われます。ですが実際に困るのは、旅行のような予定された不在ではなく、今回のように予定が崩れたときでした。備えておくべきはそちらだと思います。
飼育の全体像はリクガメの飼い方 完全ガイド、餌を食べないときの対処はリクガメが餌を食べないときに私が確認していることをどうぞ。
「3日が限度」のように、根拠のはっきりしない数字は他にもあります。私が何を疑い、何を信じているかはリクガメ飼育の「常識」、14年やって違うと思ったことにまとめました。




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