あなたのリクガメ、暗い部屋で暮らしていませんか

リクガメ
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紫外線ライトを設置して、バスキングライトも点けている。リクガメ飼育としては、ごく一般的な構成だと思います。

ではその状態で、ケージの中は何ルクスあるのでしょうか。

温度計を持っている飼育者は多いはずです。湿度計もそうでしょう。ところが明るさを測ったことがある人は、ほとんどいないのではないでしょうか。私も14年飼っていて、一度もありませんでした。

スマホのアプリで測ってみたら、想像していた数字と違いました。紫外線ライトとバスキングライトを点けた状態が、雨の日の屋外より暗かったのです。

この記事は、実際に測った数字と、そこから分かったことをまとめたものです。

なおここで書くのは、リクガメやフトアゴのような昼行性の種の話です。レオパやヤモリなど夜行性・薄明薄暮性の種には、そのまま当てはまりません。むしろ逆になる場合があります。

我が家のケージを測ってみた

使ったのはスマホの照度計アプリ「LUX」です。120cmのケージで、同じ位置から測っています。紫外線ライトは、いずれの測定でも点灯した状態です。

点灯している器具照度
紫外線ライト+バスキングライト400ルクス
紫外線ライト+LEDライト1,200ルクス
3つすべて(バスキングスポット)2,500ルクス
3つすべて(ケージの暗い側)100ルクス
参考:雨の日の屋外1,000ルクス

一般的な構成のままだと、雨の日の外より暗い

この表でいちばん見てほしいのが、1行目です。

紫外線ライトとバスキングライト。多くの飼育者が揃えているであろう、この2つだけを点けた状態が400ルクスでした。同じ日に測った雨の屋外が1,000ルクスです。

雨の日の外の、半分以下ということになります。

器具は正しく揃えている。説明書のとおりに設置している。それでもこの数字です。足りていないのは器具の数ではなく、「明るさを担当する器具」でした。

ちなみに晴天の屋外は、一般に10万ルクス程度と言われます。測定した日が雨だったので実測できていませんが、桁が2つ違うということです。室内飼育である以上、自然光にはどうやっても届きません。

明るい側と暗い側で、25倍の差がある

もう一つの発見が、ケージ内の差です。

バスキングスポットが2,500ルクス、暗い側が100ルクス。同じケージの中で25倍の差があります。

これは意図してそうしています。理由は後で書きますが、明るさも温度と同じで、均一にしないほうがいいと考えているからです。

3つの器具は、役割が全部違う

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

器具主な役割明るさへの貢献
紫外線ライトUVB(骨の代謝)・UVA(ものの見え方)ほぼ担当しない
バスキングライト合わせて400ルクス
LEDライト明るさこれで1,200ルクスへ

この3つは、互いに代わりになりません。2つ揃えても、残りの1つは埋まらない。ここを混同しているケースが多いのではないかと思います。

紫外線ライトは「明るさ」の器具ではない

最も多い誤解が、これだと思います。

紫外線ライトは、紫外線を出すことを目的とした器具です。人の目に明るく見えるかどうかは、それとは別の性能です。「UVBライトを付けているから、光は足りている」とはなりません。

実際、紫外線ライトとバスキングライトを合わせても400ルクスでした。この2本は、明るさの担当ではないということです。

バスキングライトは、白い光ではない

バスキングライトの光は、オレンジがかっています。色温度が低いためです。

色温度というのは光の色味を表す数値で、低いと赤み、高いと青白くなります。ハロゲンのバスキングライトは、太陽の白い光を再現する器具として作られていません。熱を出すのが仕事だからです。

ちなみに我が家使用している可視光線用のLEDは9,200Kで、自然光(5,000〜6,500K程度)よりかなり青い光です。それでもリクガメは問題なく餌を食べています。

この経験から言うと、色温度を細かく気にする必要はなさそうです。それよりも、明るさが足りているかどうかのほうが実務的だと考えています。

爬虫類は、人間に見えない光まで見ている

調べていて知ったことがあります。

爬虫類は、人間には見えないUVA(320〜400nm)の領域まで見えているとされています。そしてUVAは、餌や環境、他の個体を認識することに関わっていると言われます。

つまり私たちが見ているケージの明るさと、リクガメが見ている世界は同じではないということです。

UVAを出すのは紫外線ライトの役割です。明るさは担当しないけれど、見え方には関わっている。だからこそ、どれか一つでは足りません。

ケージの置き場所でも変わります

見落とされやすい点をもう一つ。

同じ器具を使っていても、ケージをどこに置いているかで、実際の明るさは変わります。部屋の隅、家具の陰、窓から遠い場所。そういう場所に置いていると、器具の性能どおりの環境にはなりません。

紫外線も同じです。ライトからの距離が離れれば、届く量は減ります。設置しているつもりでも、実際は不足しているかもしれません。

だからこそ、測ってみる価値があります。

何ルクスあればいいのか

読者が一番知りたいのは、ここだと思います。

先に断っておくと、これは研究に基づいた数字ではありません。私が自分の環境と個体の状態から出した、ひとつの目安です。

そのうえで書きます。1,000ルクス以上あれば、まず問題ないと考えています。

根拠は、我が家のリクガメの健康状態です。LEDを加えて1,200ルクス、バスキングスポットで2,500ルクス。この環境で、食欲も活動量も落ちていません。

逆に言えば、紫外線ライトとバスキングライトだけの400ルクスは、私なら足りないと判断します。雨の日の屋外より暗い環境が、一日中続いていることになるからです。

ここに行き着くまでに、2回失敗しています

今はアクアリウム用のLEDを使っていますが、最初からそうだったわけではありません。

1回目|家庭用のLED電球

最初はコストパフォーマンスを考えて、家庭用のLED電球をソケットに挿して使っていました。

結果は、1,200mmのケージにはまったく不十分でした。電球は一点から光を出すので、広いケージ全体には届きません。

2回目|GEX ナチュラルライト

次に爬虫類用のGEX ナチュラルライトを試しました。これも1,200mmのケージには光量が足りず、使わなくなりました。

誤解のないように書いておくと、製品が悪いのではありません。ケージのサイズに対して力不足だった、というだけです。小型のケージであれば十分に機能すると思います。

3回目|アクアリウム用のLED

行き着いたのが、水槽用のLEDライトです。

正直に書くと、選んだ一番の理由は「手元にあったから」です。我が家では魚も飼っているので、アクアリウム用品が流用できました。

使ってみると、これが合っていました。横長のケージを面で照らせること、サイズの選択肢が多いこと、価格が抑えられること。爬虫類用として売られている製品ではありませんが、明るさを確保するという目的には十分でした。

爬虫類用の製品ではないので、そこは承知のうえで使っています。同じ方法を採るかどうかは、ご自身で判断してください。

灯具にも、アクアリウム用品を使っています

電球を取り付ける灯具についても書いておきます。

電球取り付けている灯具
紫外線ライト(GEX レプタイルUVB150)ヴォルテス(アクアリウム用)
バスキングライト(GEX サングロー タイトビーム)ビバリア 太陽NEO

紫外線ライト側の「ヴォルテス」は、アクアリウムでよく使われるE26のリフレクター付き灯具です。ここでも水槽用品を流用しています。

ここは意外と効きます。リフレクターの有無で、同じ電球でも下に届く光の量が変わります。裸のソケットだと、光が横や上にも逃げていく。反射板があれば、その分がケージの中に向かいます。

明るさが足りないと感じたとき、電球を買い替える前に灯具を見直すという手もあります。

ケージ全体を明るくしない

最後に、設置の考え方です。

我が家は1,200mmのケージに、600mm用のライトを使っています。ケージの半分だけを照らす形です。

明るさが必要だと聞くと、全体を明るくしたくなります。私はそうしていません。先ほどの数字のとおり、明るい側2,500ルクスに対して暗い側は100ルクス。25倍の差を、意図的に作っています。

理由は温度とまったく同じです。自然界には日向と日陰があります。暑ければ日陰に入り、体を温めたければ日向に出る。明るさも同じで、全体が均一に明るいと、落ち着ける場所がなくなります。

光の当て方については「「リクガメにバスキングライトはいらない」と思った人へ」で、斜めに設置する理由とあわせて書いています。

点灯時間

我が家は1日おおよそ8〜10時間です。夏と冬で少し変えています。

管理はGEXのサーモスタットで、バスキングライトと一括です。個別に管理するより、まとめてしまうほうが消し忘れがありません。

点けっぱなしにしないことも大事です。夜は暗くなる。それが自然な状態です。

まとめ

  • 紫外線ライト+バスキングライトで400ルクス。雨の日の屋外の半分以下でした
  • 紫外線ライト・バスキングライト・LEDは役割が違い、互いに代われない
  • 爬虫類はUVAまで見えている。私たちが見ている明るさとは違う
  • 色温度は気にしすぎなくてよさそう。うちは9,200Kでも問題なし
  • 目安は1,000ルクス以上(研究ではなく、私の環境からの推察です)
  • ケージ全体を明るくしない。明るい側と暗い側で25倍の差をつけています
  • 置き場所によって、実際の明るさも紫外線量も変わる

照度計はスマホのアプリで代用できます。無料で、5分で終わります。器具はひととおり揃えたつもりでも、数字を見ると足りていないかもしれません。

私は測って、自分の環境をひとつ更新できました。

餌を食べないときに環境のどこを見直すかは「リクガメが餌を食べない」にまとめています。

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