我が家の水入れは置いている。毎日水も換えている。でも、飲んでいるところを見たことがない。
足りているのだろうか。気づかないうちに脱水しているのではないか。私も飼い始めた頃、同じことを心配していました。
先に結論を書きます。
地中海リクガメは、そもそもあまり飲みません。飲んでいるところを見ないのは、珍しいことではありません。
ただ「大丈夫ですよ」と言われても、不安は消えないと思います。大事なのは、足りているかどうかを自分で確認できるようになることです。その方法を書きます。
水分の多くは、餌から入っています
リクガメは、犬や猫のように水入れに顔を突っ込んで飲む動物ではありません。野生では、餌になる植物から水分の多くを摂っています。
飼育下でも同じで、野草や野菜を食べていれば、そこから水分が入ります。水入れは「唯一の水源」ではなく、選択肢のひとつです。
だから「飲んでいない=足りていない」ではありません。見るべきは、水入れではなく個体のほうです。
足りているかは、糞と尿酸で分かります
ここがこの記事の本題です。水分が足りているかどうかは、排泄物を見れば判断できます。
尿酸の状態を見る
リクガメは尿と一緒に、白い尿酸を出します。これが一番分かりやすい指標です。
| 尿酸の状態 | 判断 |
|---|---|
| ペースト状・ゼリーのよう | 水分は足りている |
| ざらついた固い塊 | 水分が足りていない |
我が家の個体は、基本的にペースト状です。尿そのものは見られるときと見られないときがありますが、尿酸は残るので確認しやすい。掃除のときに毎回見ています。
糞の硬さを見る
もう一つが糞です。硬くなっていたら、水分が足りていないサインだと考えています。
我が家でも、糞が硬くなることはたまにあります。そのときはレタスなど水分の多い野菜を多めに与えます。それで戻ります。
「毎日決まった量の水を飲ませる」のではなく、出てきたものを見て、餌で調整する。これが実際の管理です。
目のくぼみや皮膚のたるみは、判断が遅すぎます
脱水のサインとしてよく挙げられますが、私は日常の判断には使っていません。
そこまで出ているなら、かなり衰弱している状態だと思うからです。気づいた時点で手遅れに近い。日常的に見ているのは目の輝きと餌食いで、異変の入り口はそこに出ます。
正直に書いておくと、体重の推移は追っていません。本来は測ったほうがいいと思いますが、我が家では排泄物の確認で足りています。
飲まないなら、その水入れは何をしているのか
ここから先は、少し踏み込んだ話です。
排泄物を見て「足りている」と判断できたなら、その水入れは水分補給の役に立っていないことになります。では、ケージの中で何をしているのか。
- 水がすぐ悪くなる。乗り上げたり中を歩き回ったりで、床材や糞が混ざる
- こぼれた水が床材を濡らす。濡れた床材は不衛生になる
- コバエの発生源になる
「いつでも飲める水がある」つもりで、実際には「いつでも汚れた水がある」状態になっていないか。私が引っかかったのはここでした。
床材の湿りとコバエの関係は「爬虫類ケージのコバエ、原因は「水入れ」かもしれません」に詳しく書いています。
我が家は8年、水入れを置いていません
最初から置いていなかったわけではありません。飼い始めた頃は置いていましたし、外してから設置し直したこともあります。行ったり来たりした結果、今の形に落ち着きました。
8年間、水分が原因で体調を崩したことはありません。
これは「置かないほうがいい」という話ではありません。そういう選択肢もある、という記録です。読んで「うちには無理だ」と判断されたなら、それが正しい判断です。
何を食べさせているか
| 餌 | 割合 |
|---|---|
| マズリ(人工餌) | 約7割 |
| 野草 | 約2割 |
| 野菜 | 約1割 |
人工餌が7割と聞くと、水分が足りないように見えると思います。ここが一番大事なところです。
我が家は乾燥のまま与える日と、ふやかして与える日が半々です。ふやかしたマズリは、それ自体がかなりの水分になります。
「人工餌がメインかどうか」ではなく、「ふやかしているかどうか」が分かれ目です。乾燥したものだけを主食にして、水入れも置かない。この組み合わせは避けてください。
マズリについては「マズリ トータスダイエット5M21を4年以上使ったレビュー」に書いています。
野菜はレタス、きゅうり、トマトあたり。夏場は人間が食べたスイカの皮を与えることもあります。野草や野菜には霧吹きで水をかけて、水分量を増やすこともあります。びしょ濡れではなく、表面が湿る程度です。
それでも水入れを置いたほうがいい場合
排泄物から状態を読めないなら、置いてください
これが一番の判断基準です。
尿酸や糞を見て「足りている・足りていない」が分からない状態で外すのは、何も見ずにハンドルを切るのと同じです。まずは置いたまま、排泄物を観察するところから始めてください。
お迎え直後|数時間だけ置くという方法
迎えたばかりの個体は環境に慣れておらず、餌を食べないこともあります。最初は置いておいていいと思います。
そのうえで提案があります。リクガメが水入れから飲むのは、水を入れてから数時間の間だと思います。それ以降は水が悪くなり、結局飲まない。
であれば、数時間だけ設置して、そのあと下げればいい。飲める水を確保しつつ、床材を濡らし続けることも避けられます。ベビーでも考え方は同じです。
これは水入れを外していない方にも使える方法だと思います。
体調を崩したとき
我が家では体調を崩したことがないので、経験としては書けません。
ただ排泄物の状態が悪いなら、水入れを戻すのは良い判断だと思います。水分不足が原因の不調であれば、温浴も有効でしょう。
「水入れは必ず置くべき」という一般論について
この主張は、正しいと思います。
私が言っているのは「置くと飼えない」ではありません。置いても飼えます。ただ、より良い環境だとは思わないというだけです。
構図としては、シェルターの話と同じです。誰にでも当てはまる一般論としては「置いたほうがいい」で合っています。排泄物から個体の状態を読めない人にとっては、水入れがある方が確実に安全だからです。
シェルターについての考え方は「リクガメのシェルターは不要」に書いています。
なおここまでは地中海リクガメの話です。ケヅメリクガメやヒョウモンガメなど、他の種は飼育経験がないので分かりません。
あわせて、我が家では温浴もしていません。水入れも温浴もないと極端に見えますが、水分は餌から入れ、状態は排泄物で確認する。この2つで1つの方針です。考え方は「リクガメに温浴は必要?私が日常的に温浴をしていない理由」に書きました。
まとめ
- 地中海リクガメは、そもそもあまり飲みません。見かけなくても異常ではない
- 水分の多くは餌から入っています
- 足りているかは尿酸で判断。ペースト状なら足りている。固い塊なら足りていない
- 糞が硬くなったら、水分の多い野菜を増やす
- 目のくぼみや皮膚のたるみは、出た時点で手遅れに近い
- 人工餌が主食でもふやかしていれば水分は入る。乾燥のままなら水入れは外さない
- 排泄物から状態を読めないなら、水入れは置いてください
- お迎え直後は数時間だけ設置して下げる方法が有効
飲んでいるところを見ないと、不安になります。私もそうでした。
ただ見るべきなのは、飲む瞬間ではなく、出てきたものです。そこが読めるようになると、水入れがあってもなくても、判断できるようになります。



コメント