リクガメが餌を食べない。何日まで様子を見ていいのか、病院に連れて行くべきなのか、判断に迷っている状況だと思います。
先に結論を書きます。「食べない」は病名ではなく、サインです。原因の多くは飼育環境にあります。そして環境の中で最も見落とされているのが「明るさ」だと、私は考えています。
ただし、環境の見直しより先に病院へ行くべきケースがあります。まずそこから確認してください。
これに当てはまるなら、環境より先に病院へ
次のいずれかに当てはまる場合、環境の見直しは後回しにしてください。環境を整えて反応を見るには、どうしても数日かかります。病気が原因なら、その数日が命に関わります。
- 鼻水が出ている、鼻を鳴らすような音がする
- 口を開けて呼吸している
- 目が開かない、腫れている
- 数日にわたって排泄がない
- 急にまったく動かなくなった
- メスで、落ち着きなく穴を掘る仕草を繰り返している
これらは自宅で解決できる範囲を超えています。爬虫類を診られる病院を探して連れて行ってください。
当てはまらない場合は、以下の順番で環境を確認していきます。
「何日で病院?」への答えは、日数ではなく体重
私の目安は7日です。ただしこれは経験から来る感覚値であって、根拠のある数字ではありません。3日でも様子がおかしければ病院へ行きますし、元気に歩き回っていれば7日を過ぎても慌てません。
日数より確実な指標があります。体重です。
キッチンスケールで十分なので、毎日同じ時間に測って記録してください。体重が維持できているなら、環境を見直す時間があります。減り続けているなら急ぐべきです。
「食べていない気がする」という主観より、グラム単位の数字のほうが正確に状態を教えてくれます。
まず餌を疑う
最初に確認するのはここです。手間もお金もかからず、当たれば数日で解決します。
- 鮮度が落ちていないか
- 大きさや切り方が食べにくくなっていないか
- 餌の種類を急に変えなかったか
- 同じものが続いていないか
特に多いのが急な変更です。前の餌に戻したら食べ始めた、ということは珍しくありません。
ただし、ここに時間をかけすぎないでください。2〜3日試して変化がなければ、原因は餌ではありません。

次に温度を疑う
リクガメは自分で体温を作れません。消化にも体温が必要なので、温度が足りなければ食べても消化できず、結果として食べなくなります。
確認すべきは平均温度ではなく、勾配です。
暖かい場所と涼しい場所の両方があり、個体が自分で選べる状態になっているか。ケージ全体が同じ温度だと、暑すぎても寒すぎても逃げ場がありません。
温度計は床材の上、個体がいる高さに置いてください。ケージ上部の空気温度は、実際に個体が感じている温度とは違います。
温度の作り方については「リクガメの飼い方ガイド」でも触れています。
見落とされているのが「明るさ」
温度と湿度についての情報は山ほどありますが、明るさについて書かれたものは驚くほど少ない。ここが、最後の確認項目です。

紫外線ライトを付けている=明るい、ではない
最も多い誤解が、これだと思います。紫外線ライトは紫外線を出すための器具であって、明るさを担当する器具ではありません。
実際に我が家のケージを測ってみました。紫外線ライトとバスキングライトを点けた状態で、400ルクス。同じ日に測った雨の屋外が1,000ルクスでした。

器具を正しく揃えていても、雨の日の外より暗いことがあるということです。
明るくしてから、よく食べるようになった
可視光線の重要性を知らなかった頃、私は餌食いが悪いとは思っていませんでした。それなりに食べていましたし、問題を感じてもいなかった。
それでもLEDライトを足したあと、明らかによく食べるようになりました。

もともと極端に暗い環境だったわけではありません。だから、ここが重要だと思っています。「うちはそこまで暗くない」と思っている環境でも、変わる可能性があるということです。
1個体での経験なので断言はできません。ただ、ライトを1つ足すことは病院に行くより手軽で、個体へのリスクもありません。試す価値はあると考えています。
実測した数値、器具ごとの役割の違い、必要な明るさの目安は「あなたのリクガメ、暗い部屋で暮らしていませんか」にまとめました。照度はスマホのアプリで測れます。
それでも食べないなら|病院で伝えること
環境を整えても改善しないなら、病院です。その際、次の情報を持っていくと診察が早く進みます。
- 食べなくなってから何日目か
- 体重の推移(日付と数字)
- ケージ内の写真
- ケージ内の温度・湿度・照度
- 餌の内容と、最近変えたもの
- 排泄の有無と状態
- 最近の環境の変化(引っ越し、レイアウト変更、同居個体の追加など)
記録があるかないかで、診察の精度が変わります。「食べません」だけでは、獣医も推測から始めるしかありません。
なお、爬虫類を診られる病院は限られています。問題が起きてから探すのでは間に合いません。元気なうちに、通える範囲の病院を調べておいてください。
まとめ
リクガメが餌を食べないとき、確認する順番はこうです。
- すぐ病院に行くべきサインがないかを確認する
- 体重を測って記録を始める
- 餌の鮮度・切り方・急な変更を疑う(2〜3日)
- 温度と、その勾配を確認する
- 明るさを確認する。紫外線とは別に、可視光線が足りているか
- 改善しなければ、記録を持って病院へ
特に5番は、多くの飼育者が見落としている部分だと思います。温度計は持っていても、照度を測ったことがある人は少ないはずです。スマホのアプリで測れるので、一度確認してみてください。




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