🐢 この記事の結論(先に要点だけ)
「何日まで大丈夫」という数字は、この記事では出しません。健康な個体が一時的に食べていないのか、不調で食べられないのかで、答えがまったく変わるからです。
代わりに見るのは体重です。維持できているなら環境を見直す時間があります。減り続けているなら急いでください。
先に病院へ行くべきサインがあります。鼻水・開口呼吸・排泄なし・急に動かない。これらは自宅で解決できません。
環境で最も見落とされているのは「明るさ」です。紫外線ライトは明るさの器具ではありません。我が家は実測400ルクスでした。
リクガメが餌を食べない。何日まで様子を見ていいのか、病院に連れて行くべきなのか、判断に迷っている状況だと思います。
先に結論を書きます。「食べない」は病名ではなく、サインです。原因の多くは飼育環境にあります。そして環境の中で最も見落とされているのが「明るさ」だと、私は考えています。
ただし、環境の見直しより先に病院へ行くべきケースがあります。まずそこから確認してください。
これに当てはまるなら、環境より先に病院へ
次のいずれかに当てはまる場合、環境の見直しは後回しにしてください。環境を整えて反応を見るには、どうしても数日かかります。病気が原因なら、その数日が命に関わります。
- 鼻水が出ている、鼻を鳴らすような音がする
- 口を開けて呼吸している
- 目が開かない、腫れている
- 数日にわたって排泄がない
- 急にまったく動かなくなった
- メスで、落ち着きなく穴を掘る仕草を繰り返している
これらは自宅で解決できる範囲を超えています。爬虫類を診られる病院を探して連れて行ってください。
当てはまらない場合は、以下の順番で環境を確認していきます。
「何日まで大丈夫か」に、日数で答えられない理由
ここを知りたくて来られた方が多いと思うので、先に書いておきます。この記事では「何日までなら大丈夫」という数字を出しません。
理由は、同じ「3日食べていない」でも、中身がまったく違うからです。
- 健康な個体が、何らかの理由で一時的に食べていない
- 体調を崩していて、食べられない
前者なら数日は大きな問題になりません。後者なら、3日でも手遅れに近づいていきます。そして外から見ただけでは、この2つは区別がつきません。
ここで「◯日までは平気です」と書いてしまうと、本当は急ぐべき側の方を様子見させてしまいます。だから数字は出しません。
代わりに見てほしいのが体重です
キッチンスケールで十分です。
正直に書くと、私は普段から毎日測っているわけではありません。調子のいいときにまで毎日測る必要はないと思っています。
ただし「食べていない」と気づいた日からは別です。その日から測り始めて、日付と一緒に記録してください。
体重が維持できているなら、環境を見直す時間があります。減り続けているなら急ぐべきです。「食べていない気がする」という主観より、グラム単位の数字のほうが正確に状態を教えてくれます。
そしてこの記録は、そのまま病院で役に立ちます。
まず餌を疑う
最初に確認するのはここです。手間もお金もかからず、当たれば数日で解決します。
- 鮮度が落ちていないか
- 大きさや切り方が食べにくくなっていないか
- 餌の種類を急に変えなかったか
- 同じものが続いていないか
特に多いのが急な変更です。前の餌に戻したら食べ始めた、ということは珍しくありません。
ただし、ここに時間をかけすぎないでください。2〜3日試して変化がなければ、原因は餌ではありません。

次に温度を疑う
リクガメは自分で体温を作れません。消化にも体温が必要なので、温度が足りなければ食べても消化できず、結果として食べなくなります。
確認すべきは平均温度ではなく、勾配です。
暖かい場所と涼しい場所の両方があり、個体が自分で選べる状態になっているか。ケージ全体が同じ温度だと、暑すぎても寒すぎても逃げ場がありません。
温度計は床材の上、個体がいる高さに置いてください。ケージ上部の空気温度は、実際に個体が感じている温度とは違います。
見落とされやすいのが夜間と明け方です。日中は暖かくても、消灯後に冷えていれば消化は止まります。夜の保温は「夜間の保温は暖突と保温球どっち?」にまとめました。温度の作り方全体は「リクガメの飼い方ガイド」でも触れています。
見落とされているのが「明るさ」
温度と湿度についての情報は山ほどありますが、明るさについて書かれたものは驚くほど少ない。ここが、最後の確認項目です。

紫外線ライトを付けている=明るい、ではない
最も多い誤解が、これだと思います。紫外線ライトは紫外線を出すための器具であって、明るさを担当する器具ではありません。
実際に我が家のケージを測ってみました。紫外線ライトとバスキングライトを点けた状態で、400ルクス。同じ日に測った雨の屋外が1,000ルクスでした。

器具を正しく揃えていても、雨の日の外より暗いことがあるということです。
明るくしてから、よく食べるようになった
可視光線の重要性を知らなかった頃、私は餌食いが悪いとは思っていませんでした。それなりに食べていましたし、問題を感じてもいなかった。
それでもLEDライトを足したあと、明らかによく食べるようになりました。

もともと極端に暗い環境だったわけではありません。だから、ここが重要だと思っています。「うちはそこまで暗くない」と思っている環境でも、変わる可能性があるということです。
1個体での経験なので断言はできません。ただ、ライトを1つ足すことは病院に行くより手軽で、個体へのリスクもありません。試す価値はあると考えています。
実測した数値、器具ごとの役割の違い、必要な明るさの目安は「あなたのリクガメ、暗い部屋で暮らしていませんか」にまとめました。照度はスマホのアプリで測れます。
14年飼っていて、深刻な拒食は経験していません
正直に書いておきます。私は14年リクガメを飼っていますが、「食べない日が続いて困った」という経験がありません。
ですので、この記事に「こうしたら食べるようになった」という逆転の体験談は書けません。そこは期待されても出せない部分です。
代わりに書けるのは、何を最初に固めてきたかです。3つあります。
- 温度勾配。一点を温めるのではなく、個体が自分で場所を選べる状態にしています
- 明るさ。これは14年目に気づいて足した部分です。足したあと、明らかによく食べるようになりました
- 餌を刻まない。丸のまま与えたほうが食いつきがよく、嘴も伸びにくいと考えています
拒食の相談の多くが環境に行き着くということは、裏返せば環境を先に固めておけば起きにくいということだと思っています。いま困っている方にとっては遠回りな話ですが、落ち着いたあとに読み返してもらえればと思います。
ライトの揃え方は「リクガメに必要なライトは3種類」、刻まない給餌については「リクガメの嘴が伸びてきた」に書いています。
それでも食べないなら|病院で伝えること
環境を整えても改善しないなら、病院です。その際、次の情報を持っていくと診察が早く進みます。
- 食べなくなってから何日目か
- 体重の推移(日付と数字)
- ケージ内の写真
- ケージ内の温度・湿度・照度
- 餌の内容と、最近変えたもの
- 排泄の有無と状態
- 最近の環境の変化(引っ越し、レイアウト変更、同居個体の追加など)
記録があるかないかで、診察の精度が変わります。「食べません」だけでは、獣医も推測から始めるしかありません。
なお、爬虫類を診られる病院は限られています。問題が起きてから探すのでは間に合いません。元気なうちに、通える範囲の病院を調べておいてください。
まとめ
リクガメが餌を食べないとき、確認する順番はこうです。
- すぐ病院に行くべきサインがないかを確認する
- その日から体重を測って記録を始める(日数では判断しない)
- 餌の鮮度・切り方・急な変更を疑う(2〜3日)
- 温度と、その勾配を確認する
- 明るさを確認する。紫外線とは別に、可視光線が足りているか
- 改善しなければ、記録を持って病院へ
特に5番は、多くの飼育者が見落としている部分だと思います。温度計は持っていても、照度を測ったことがある人は少ないはずです。スマホのアプリで測れるので、一度確認してみてください。




コメント