リクガメの床材を選ぶとき、「どれか1つを選ばなければいけない」と思っていませんか。
ヤシガラか、赤玉土か、ブレンドサンドか。売り場でもネットでも、1種類ずつ並んでいます。だから比べて、どれか1つに決めようとする。
私も最初はそうでした。いろいろ試して、行き着いたのは「混ぜる」でした。
現在はヤシガラ7:もみ殻3くらいの割合でブレンドしています。もみ殻を使っている人はあまり見かけませんが、我が家ではこの組み合わせが14年で一番落ち着いています。

この記事では、おすすめランキングではなく、そこに行き着くまでの過程を書きます。ココナッツサンド、赤玉土、人工芝、ペットシーツ。かなり遠回りをしました。
お迎え前後の流れをまとめて知りたい方は「リクガメの飼い方 完全ガイド」もどうぞ。
本当の理想は「野外飼育」だと思っている
最初に書いておきたいのですが、私自身、リクガメにとって本当に理想的なのは、土の上で暮らせる「野外飼育」だと思っています。
理由はシンプルです。
- 自然そのものに近い環境で過ごせる
- 土に潜ることができる
- 適度な湿度が保たれやすい
- 日光浴も自然にできる
リクガメはもともと土の上で暮らしている生き物です。土に潜ったり、地面を掘ったりする行動は、彼らにとってごく自然なものです。庭やベランダで土の上を歩き回れる環境を用意してあげるのが一番いいに決まっている、と頭では分かっています。
ただ、現実はそう簡単ではありませんでした。
我が家は屋内飼育です。住環境や気候、脱走や外敵のリスクを考えると、おそらく多くの飼育者さんも屋内飼育を選んでいると思います。では屋内で理想に近づけようと土を使うと、
- 床が汚れる
- 砂埃が部屋に舞う
- 交換や管理がとにかく大変
という問題が出てきます。野外飼育を理想だと思いながらも、室内でそれを再現するのは現実的に厳しい。この「理想と現実のギャップ」をどう埋めるかが、我が家の床材選びのスタート地点でした。

これまでに試してきたリクガメの床材
ここからは、実際に使ってみた床材の一部の使用感を書いていきます。
ココナッツサンド
最初に使ったのは、ココナッツの殻を細かく砕いたタイプの床材でした。
見た目も自然ですし、それなりに潜れて割と良いかと思いましたが、乾燥してくると、細かな粉塵が発生してしまいます。その粉塵をリクガメが吸い込んでいるように見えました。
我が家では健康被害があったわけではありませんが、一定数アレルギー反応がでる生体もいるそうです。さらに、舞った粉や細かなカスがケージの外にも出てきて、ケージ周りの床や家具がうっすら汚れていくのも地味にストレスでした。
赤玉土
次に試したのが赤玉土です。園芸用として手に入りやすく、見た目も自然で、最初の印象は良かったです。土に近い床材という意味では、理想に一歩近づいた感覚がありました。
ただ、赤玉土には大きなデメリットがあります。リクガメが歩き回るうちに粒が崩れて細かくなっていき、乾燥するとやはり粉塵が出ます。粉塵がケージの外に出ると床や壁際の汚れが目立ちます。気づけば部屋中がうっすら赤茶けてくる、という状態でした。
ちなみに、リクガメ本人にとっては潜り心地もよく、快適そうではありました。それでも、部屋中が砂埃で汚れてしまう問題のほうが大きく、我が家では「合わなかった床材」としてはっきり記憶に残っています。
その他に試したもの(ペットシーツ・人工芝)
上記のほかにも、ペットシーツや人工芝も試してきました。あれこれ手を出しては「うちには違うな」を繰り返したわけです。今振り返れば、ここまで色々試す必要はなかったかもしれません。ただ、こうして一通り経験したからこそ、自分が床材に何を求めているのかがはっきりしました。その答えが、次のヤシガラ+もみ殻でした。
現在のリクガメの床材:ヤシガラ+もみ殻のブレンド
そんな試行錯誤を経て、現在の我が家はヤシガラともみ殻をブレンドして使っています。

ヤシガラを使う理由
ヤシガラを選んでいる一番の理由は、リクガメが潜れることです。
潜ったり、顔を床材に埋めたりできると、リクガメは落ち着くように見えます。安心できる場所が確保できているというか、隠れたいときに隠れられる環境があるのは大事だと感じています。
土ほどではないにしても、自然な行動を引き出せる床材だと思っています。
もみ殻を使う理由
もみ殻は、ヤシガラ単体の弱点を補う目的で混ぜています。
- 消臭効果が高い
- 嵩増しになる(ヤシガラだけだとコストがかさむ)
- コストが安いので、定期的な交換に気兼ねがいらない
中でも一番実感しているのは消臭効果です。もみ殻を混ぜるようになってから、ケージ特有のニオイが明らかに気にならなくなりました。フンや尿のニオイをもみ殻が吸着してくれている感覚があります。屋内飼育でニオイに悩んでいる方には、これだけでも試す価値があると感じています。リクガメの臭いそのものについては、リクガメは臭い?14年飼育して感じる本当のところで詳しく書いています。
入手先についてですが、もみ殻はホームセンターの園芸コーナーやネット通販で買えるほか、地域によってはコイン精米所やお米の直売所、農家さんから無料〜格安で分けてもらえることもあります。もともと農業資材なので、ペット用品として買うより圧倒的に安く手に入るのもありがたいところです。
特に「交換しやすさ」は、私にとって大きなポイントです。床材は消耗品だと考えているので、惜しみなく交換できる価格帯であることは重要でした。また可燃ごみとして廃棄できるのも、大きなポイントです。
床材の交換頻度と、日々の手入れの実際
「床材ってどれくらいの頻度で替えるの?」というのも、これから飼う方が気になるところだと思います。
我が家のやり方は、全体の総入れ替えは2か月に1回ほど。またリクガメがうんちをするたびに、その周囲の床材ごと回収しています。汚れたところをこまめに抜いていくので、当然そのぶん床材は減っていきます。だから、総入れ替えまでのあいだに途中で継ぎ足すこともあります。
もみ殻入りで消臭力があるとはいえ、汚れをこまめに取り除くこと自体がニオイ対策の基本になっていると感じています。
私がリクガメの床材選びで重視していること
私は床材の「粉塵」をとても気にしています。
こう書くと、「自然界にも砂埃はあるじゃないか」という意見もあると思います。それはその通りで、野生のリクガメは砂埃の舞う環境で普通に暮らしています。
でも私は、自然界と閉鎖的な飼育環境は別物だと考えています。
野外では空気が常に循環しています。砂埃が舞っても、風で流れて拡散していきます。一方で、飼育ケージは限られた空間です。空気が滞留しやすく、舞った粉塵もケージの中に留まりやすい。床材に溜まった汚れや雑菌の濃度も、開放的な自然環境とは違うはずです。
同じ「砂埃」でも、置かれている環境が違えば意味も変わってくる。そう考えるようになってから、私の床材選びの基準は次の3つに絞られました。
- 粉塵が少ないこと
- 頻繁に交換できること(=安価であること)
- 可燃ごみとして処分しやすいこと
ヤシガラ+もみ殻という組み合わせは、この3つをそれなりに満たしてくれています。土のような完璧な自然環境ではないけれど、閉鎖環境という制約の中での落としどころとしては、今のところ納得できる構成です。
まとめ|床材は1種類で選ばなくていい
リクガメの床材に、唯一の正解はないと思っています。ただ「1種類から選ぶ」という前提を外すと、選択肢が一気に広がります。
- 我が家はヤシガラ7:もみ殻3のブレンド
- ヤシガラ:潜れて、湿度を保ちやすい
- もみ殻:軽く、消臭に効く。使っている人は少数派
- 粉塵が出るものは避ける。顔の近いリクガメが吸い込みます
- 高価な床材より、安くこまめに交換できることを優先しています
市販品を1つ選ぼうとして迷っているなら、混ぜるという選択肢を一度試してみてください。比率は自分の環境に合わせて変えられます。

ケージ内のどこに床材を敷くかは「リクガメが甲羅を引きずって歩く原因は床材?」に、床材が湿ることで起きる問題は「爬虫類ケージのコバエ、原因は「水入れ」かもしれません」に書いています。




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