はじめに
リクガメと暮らしていて難しいと感じるのは、体調を崩してもなかなか表に出してくれないところだと思います。犬や猫のように分かりやすく不調を訴えてくれるわけではないので、飼い主が気付いた時には、すでに症状がある程度進んでいることも少なくありません。だからこそ、リクガメの体調不良は、できるだけ早い段階で気づいてあげることが大切です。
だからこそ、日頃の何気ない観察がとても大切になってきます。今回は、私自身がいつも意識している健康チェックのポイントと、体調不良のサインについてまとめてみました。
リクガメは体調不良を隠す動物

なぜ体調不良を隠すのか
野生のリクガメにとって、弱った姿を見せることは命に関わります。捕食者に狙われやすくなるためで、本能的に不調を隠そうとする傾向があると言われています。
飼育下でも、その本能が残っているように感じます。普段と変わらないように見えても、内側では少しずつ調子を崩していることがあるので、見た目の元気さだけで判断しないようにしています。
小さな変化を見逃さない
体調不良のサインは、最初はとても小さな形で現れることが多いように思います。たとえば、
- いつもより少し食欲が落ちた
- 動きが何となく鈍くなった
- バスキングしている時間が短くなった
こうした変化は見過ごしてしまいがちですが、振り返ると不調の入り口だったというケースもあります。小さな違いに気付けるかどうかが、早期対応につながると感じています。
初心者が陥りやすい体調不良の原因
保温不足
リクガメは変温動物なので、体温を自分で作り出すことができません。環境の温度が下がると、食欲や活動量も一緒に落ちてしまうことがあります。
特に飼い始めの頃は、温度設定が適切かどうか判断が難しいと思います。元気がないと感じた時、まず温度を確認してみると原因が見えてくることもあります。
湿度管理のミス
湿度も意外と見落としやすいポイントです。種類によって適した湿度は異なり、合わない環境が続くと体調を崩す一因になることがあります。乾燥を好む種類なのか、ある程度の湿度が必要な種類なのか、飼育しているリクガメに合わせた管理を心がけたいところです。
環境を見直すことは大切
調子が悪そうだと感じた時は、
- 温度
- 湿度
- 保温器具の状態
このあたりを一通り確認するようにしています。
ただし、環境を整えれば必ず回復するというものでもありません。環境要因が疑われる場合でも、実際に体を壊している可能性は十分にあります。様子見を続けるのではなく、異変を感じたら早めに動物病院に相談することが大切だと感じています。
季節の変わり目は要注意
一年の中でも、特に注意したいのが季節の変わり目です。秋は昼間と朝晩の寒暖差が大きくなりやすく、私が住んでいる近畿地方では10月頃から朝晩が冷え込むようになります。
そのため私は、本格的に寒くなる前の9月中に暖突を設置するようにしています。昼間は暖かくても朝晩は思った以上に冷え込む日があるので、季節の変わり目は特に温度管理を意識しています。
毎日行いたい健康チェック
毎日じっくり時間をかける必要はありませんが、世話のついでに軽く確認するだけでも違ってきます。
食欲
食べる量や、好物への反応を見ています。いつもなら喜んで食べるものに興味を示さない時は、少し気にかけるようにしています。
活動量
普段通りに動いているか、きちんとバスキングしているかを見ます。じっとしている時間が長い時は注意が必要かもしれません。
目
しっかり開いているか、目やにが出ていないか。輝きや力があるかどうかも、調子を見る上での目安にしています。
鼻
鼻水が出ていないか、呼吸に異常がないかを確認します。鼻のまわりが湿っている時は気になります。
排泄
フンの状態、下痢をしていないか、尿酸の様子などを見ます。排泄物は健康状態が表れやすい部分だと感じています。
甲羅と皮膚
傷や腫れ、これまでになかった異常がないかを確認します。手に取った時に触れて気付くこともあります。
体重
定期的に体重を測っておくと、変化に気付きやすくなります。急に体重が減っている時は、見た目では分かりにくい不調が隠れていることもあるので注意しています。
このような症状があれば早めに病院へ
次のような様子が見られる時は、早めに動物病院を受診したほうがよいと思います。
- 数日間食欲が落ちている
- 活動量が大きく低下している
- 目を閉じている時間が長い
- 鼻水が出ている
- 呼吸がおかしい
- 下痢が続いている
- 急激な体重減少がある
- 何となくいつもと様子が違う
最後の「何となくいつもと違う」という飼い主の違和感は、案外あなどれないサインだと感じています。毎日見ているからこそ気付ける感覚なので、うまく説明できなくても気になる時は、相談してみることをおすすめします。
まとめ
リクガメは体調不良を隠す動物なので、日頃の観察がとても大切になります。保温不足や湿度管理のミスは、特に初心者に多い体調不良の原因のひとつだと思います。
季節の変わり目はとりわけ気を配りたい時期ですが、環境を見直すことと、病院を受診することは別の話です。少しでも異変を感じたら、様子を見すぎず、早めに動物病院へ相談することが、結果的にリクガメを守ることにつながると感じています。
飼育環境の基本については温度・湿度・換気の管理に、日々の世話や飼育の全体像はリクガメの飼い方 完全ガイドにまとめています。リクガメの生態をもっと知りたい方はリクガメの生態・病気(専門獣医師によるリクガメ情報室)もどうぞ。
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