雌雄がそろったら、次はいよいよペアリングです。ゼノガマの繁殖では、成熟したペアを用意し、適切なタイミングで同居させ、オスの求愛と交尾のサインを見守ることになります。この記事では、私が実際にペアリングで気をつけていることを紹介します。先に大事な点を一つ挙げると、繁殖はメスの体に負担がかかるので、無理をさせないことを常に意識しています。
ペアリングの前提:成熟したペアをそろえる
当然ですが、ペアリングには成熟したオスとメスが必要です。雌雄がはっきり判別できるようになるまでには2年ほどかかる印象なので、焦らずしっかり育ったペアで臨むのが基本です。とくにメスは産卵で体力を使うので、痩せていない、しっかり餌を食べているコンディションの良い状態であることが大切だと思っています。雌雄の見分け方は雌雄判別の記事にまとめています。
繁殖のきっかけ:季節を自然に感じてもらう
私自身は、繁殖のために意図的に温度を大きく下げる「クーリング」のような操作はしていません。その代わりに意識しているのが、自然な形で季節を感じてもらうことです。具体的には、日中と夜間でしっかり温度差をつけること、そして無理に加温しないこと。ゼノガマはもともと昼夜・季節の温度変化のある環境で暮らす種なので、その自然なリズムを感じられるようにしておくことが、繁殖のスイッチになっていると考えています。
オスの求愛行動(見られるサイン)
ペアリングがうまく進むと、オスがはっきりした求愛行動を見せます。喉から顔にかけての青をぐっと強く出し、頭を上下に振るボビングや、尾の先を小刻みに動かす仕草でメスにアピールします。その後、メスの首筋あたりに噛みついて交尾に至ります。交尾自体はごく短時間で終わることが多く、数秒で離れることもあるので、見逃しやすいです。

求愛は見守る:環境づくりに専念する
オスの求愛が始まっても、私はあまり干渉しないようにしています。人が手を出すより、環境を整えることに専念する方が、結果的にうまくいくと感じているからです。特に意識しているのは、メスが求愛から逃げられる余地をつくること。オスの求愛は時にしつこくなるので、飼育スペースを十分に確保し、隠れ家を多めに配置したレイアウトにして、メスが嫌なときに距離を取れるようにしています。逃げ場のない狭い環境でペアリングさせると、メスの負担が大きくなってしまうので、ここはとくに大事にしています。
同居とペアリングのコツ
ゼノガマは、複数を一緒にしておくとオスの求愛行動が出やすい面があります。一方で、同居には相性やストレスの問題もつきまといます。多頭で飼うと尻尾の先が欠けることもありますし、相性が悪ければ無理に同居させない方がいいこともあります。ペアリングを促したいときには、いったん同居を解除して数日離し、それから改めて同居させる、という方法を試したことがあります。少し離してから再会させることで、オスの反応が変わることがあるように感じています。様子をよく見て、強い争いが続くようなら離す、というのは常に意識しておきたいところです。
交尾が成立したら(メスの変化)
交尾後、しばらくするとメスのお腹がふっくらして、抱卵しているのが分かるようになります。だいたい1〜2か月ほどかけてお腹が大きくなり、やがて産卵に向かいます。この時期はメスの負担が大きいので、餌とカルシウムをしっかり与え、落ち着いて過ごせる環境を整えるようにしています。

産卵は複数回に分かれる(メスの負担に配慮する)
ゼノガマは、1回ですべての卵を産み切るのではなく、1シーズンのうちに数回(クラッチ)に分けて産卵します。そのすべてが有精卵というわけではなく、無精卵が含まれることも普通です。こうして複数回に分けて産むこと自体は自然なことなので、過度に心配する必要はありません。ただ、産卵はメスの体力を確実に使うので、シーズンを通してメスのコンディションには気を配るようにしています。もしメスの消耗が大きいと感じたら、オスと分けておくことで、それ以上の産卵を抑えやすくなります。繁殖はあくまで、メスが元気でいられる範囲で、というのが私の考えです。

まとめ
ゼノガマのペアリングは、成熟したコンディションの良いペアを、自然な季節の変化のなかで同居させ、人は干渉しすぎずに環境を整えて見守る——という流れになります。そして何より、メスに無理をさせないこと。実際の産卵や卵の管理については別記事でまとめていきます。これまでの繁殖の記録は繁殖記録に、飼育の全体像はゼノガマの飼育方法にまとめています。


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